クライアント先の風土改革プロジェクトで、多かれ少なかれ話題になるのは「仕事のやりがい」。そうなれば、当然聞かれるのが「冨山さんの仕事って、どういうところにやりがいを感じるんですか?」という質問です。

 そういうときには、

それはもちろん、自分が関わったプロジェクトで成果が出て、「冨山と仕事をしてよかった」と言ってもらえることですよ。

と答えます。

 嘘ではないんですけどね…本当の本当を行ってしまうと、押し付け感があるので言わないようにしているんです。

 プロジェクトの成果というのは、だいたいが人間関係が改善して離職が明確に減ったとか、品質不良率が低下したとかそういうときです。もちろん嬉しいし、「あぁやってよかった」と思います。ただ、正確には「やりがい」ではないんです。これは「安堵感」です。私にとっては。

 では、私にとっての本当のやりがいは何か。

 所詮コンサルタントは外部の人間。ただ、私は風土改革やエンゲージメント調査に関わる以上、少なからずその会社を知り、その会社の社員を知り、その会社を肌で感じることが大切だと思っています。

 そういう過程では、色々意見を言い合い、ときにはぶつかり合い、ときには共感し。本業の悩み相談に乗ったりすることも当然あります。共通の趣味を見つけたときには、プライベートな付き合いもしたり。

 そして、プロジェクトが終わるとき、こんなことを言っていただけることがあります。

「冨山さんと一緒に仕事できたおかげで、自分は○○でした!」

こういうときに、本当に「あぁやってよかった」と思います。つまり、一人称で私と付き合った価値を語ってくれたとき、やりがいを実感します。

 たしかに、組織内の人間関係がよくなったとか、そういう大きな変化も嬉しいのですが、それは成果を出せた喜びです。やりがいとは、また別のものだと思っています。

 きれいごとのように聞こえるかもしれませんが、立場は違うからこそ、一緒にやってきて共通の価値観、お互いの道のりを感じたときにより実感するのだと思っています。

 組織に関わってはいるものの、人間ですからドライになりきれるものではありません。「安堵感」は成果に対して生まれますが、「やりがい」と問われたら自分と付き合ってくれた価値をどれだけ感じていただけたかなのだと、年を重ねれば重ねるほど思います。

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