この記事は、作成日から15年経過しています。内容が古い可能性があります。またこの記事は、大幅なデザイン変更前に書かれたものですので、レイアウトが崩れている可能性があります。ご了承ください。

 組織の調査には、いろいろなものがあります。従業員満足度調査、360度診断、組織風土調査など。これらの調査自体をおこなうことは非常に意味がありますが、大切なのは、結果数値だけにとらわれず、その数値の背景のある生の声を十分に議論することです。

 私は、前の会社にいたときに組織風土アセスメントという商品の開発と運用に関わっており、多くのクライアント様に提供させていただきました。その際に、ハッキリとわかったことがあります。調査の結果の数値だけをみて判断したり、数値が低ければ隠そうとする経営者・管理者が多い会社では、調査をやる事自体無意味だということです。このような会社で実施したときに、経営者・管理者は、「この数値の出し方は間違っているのではないか?」「これは、質問がわかりにくいから、低くつけたのではないか?」「一部のネガティブな社員が足を引っ張っているのではないか?」「このように悪くつける社員はだいたい決まっている」などと、問題を直視しようとしません。このような会社では、そもそも、調査をもとに何か打ち手を考えても機能しません。本質的な打ち手がでてこないからです。もし、現状をみるだけのために組織調査を導入するのであれば、私はコストの無駄だと思います。打ち手が何も検討されない組織調査は、年を経るごとに社員が真面目に 回答しなくなり、結果自体も怪しいものになっていくからです。

 すなわち、大切なのは数字だけの議論にとどめず、数字をもとにその背景にある生の声を議論することです。組織調査は本来の価値を発揮するのです。数値化・定量化をするということは、多くの情報をまとめているわけですから、すべてが見えるわけではありません。わかるのはあくまで傾向値です。絶対的な結果ではありません。数値をコンパスとして考えて、詳しいことは、定性情報(生の声)で肉付けをしていかなくてはわからないわけです。いわば、定量情報は骨、定性情報は、筋肉となります。両方揃って、強い情報となるのです。

 組織調査をするのであれば、結果を真摯に受け止めて、その数値をもとに議論をするということを約束にして導入すれば無駄になりません。結果をもとに議論することが大切です。調査で終わりではなく、調査からはじまるということです。

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次