新入社員研修の飛び込み名刺交換はなんのため?

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 この時期は、新入社員の飛び込み名刺交換によく出くわします。オフィスにいれば訪問がありますし、この時期には必ず2回はいくビックサイトでも待ち受けて名刺交換があります。そのときの大勢を占める文言は、

「○○社の△△と申します。新入社員研修の一環で名刺交換をお願いしていますが、よろしいでしょうか?」

 8割がこのパターンです。なんで、私があなたの新入社員研修の材料にならなきゃいかんのだ?という気持ちでだいたい相手にしません。去年この文言でどれくらいの人が名刺交換に応じているのか15分くらい星飛雄馬の姉のように見ていましたけど(怪しい。。。)、だいたい名刺交換が成功していたのは以下のパターンだけでした。

美人の女性新入社員→おじさん

カッコいい男性新入社員→おばさん

これは、いうまでもなく、話しかけられた側が話したいから、名刺交換を引き受けているわけです。ある意味で、相手の目的に叶う名刺交換をできたわけです。

 一方で、8割に当てはまらないやり方で、名刺交換をバンバン成功していた男性社員がひとりいました。もちろん、お世辞にもかっこ良いとはいえずないのですが(失礼!)、彼はよく考えていました。話の入り口が違います。きちんとお客様との共通点を炙り出す言葉を投げかけていました。

 

「お疲れのところ大変失礼いたします。本日、××EXPOに出展しておりました、○○(商品名)を扱っている会社の社員の△△と申します。
ご感想を生の声でお聞かせいただければと思い、お声をかけさせていただきました。」

もちろん、見ていないであろう人は足をとめていませんでしたが、結構な人数が足を止めて、一言いって終わる人もいれば、名刺交換までできた人も結構いました。もし、話を聞いてくれなくても、「ありがとうございました。」と必ず、一言言っていました。新入社員研修の目的は、名刺交換だったかもしれませんが、彼にとっては名刺交換は目的ではなく、お客さまの商品に対するニーズをきちんと把握することにあったと思います。それくらい、真剣でした。

 これらの会社がこのような飛び込み名刺交換を新入社員研修で実施する主な目的は、度胸づけなのでしょうか?もちろん、まったく無意味ではないと思いますが、どうやったらお客さまに足を止めていただけるかグループでディスカッションさせてから、実践の場に送り出しても良いのではないでしょうか?この方法では、度胸はつくかもしれませんが、得るものは頼み込み営業の技術であって、本来必要な相手のニーズを探る力はまったくつかないように思います。

 営業に限った話しではないですが、重要なのは考える力の醸成です。特に、チームで考えて異質な意見に臆せず議論をして、最適な解を導き出す力がこれからの時代は求められると思います。私自身の目で大小問わずいくつかの企業のこういう変化をみてきただけに確信をもっていえますが、こういう議論の場を通じて社員はどんどん成長していきます。結果的に、経営者・上司が本来目を向けるべき仕事が安心してできるようになります。

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