なぜ、起業したか?(2)<いまのビジネスを選んだ理由>

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 前回も書いたとおり、「起業したい」が先にあったので、なにが自分にはできるかを考える必要がありました。当然、組織風土改革のコンサルタントとして数年やってきたわけですし、その領域にも関心があるわけですから、まったく違う領域のビジネスをしたいとは考えていませんでした。一方、企業がITを使いこなす力にもかなり注目していました。たしかに、先進的なIT技術やそれを活用した技術はどんどん生まれていくけれども、それを使いこなす力が社会全体に備わっていない。それが今の社会のひずみを生んでいると思っているので、組織の風土という観点から、ITを使いこなす力を高めることや、身の丈に合ったITを導入する支援をするビジネスはかなりニーズがあるはずと考えていました。  さらには、自分も前の会社で、社内SEとしてシステムを企画・構築する立場も担っていましたから、ユーザの気持ちは十分に理解しています。そんな意味からも、ITのプロでも、経営のプロでもなく、現場のプロでもなく、ITと経営と現場をつないで、相乗効果を発揮させるプロとして社会に貢献したいという思いは強くありました。  ですが、やはり起業ありきとなると、いろいろ目移りもしました。人と人をつなぐネットワークビジネスがしたい、メタボリックを解消できる何らかのプログラム開発、父の弁当屋を継ぐなど。すべて頭の中に描いた構想は、信頼できる身の回りの誰かに話して、頭を整理させていくようにしました。間違っても、自分ひとりで考え込むということはしませんでした。  結果的には、当初思い描いていたものに立ち戻りました。要するに、今の自分が社会に貢献できるものは、当初思い描いていたものであったし、それが一番、貢献できるイメージをもてたというのが事実です。私にとってだけでなく、周囲の相談した人にとっても。周囲の視点というのは大切です。言い換えれば、お客様の視点でもあり得るわけですから。「とりあえず、やってみよう」そんな心持ちでした。
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