身内を守るか、顧客視点に立つか

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 先日、JR時代の同僚何人かと集まったときに、東日本大震災が発生した3月11日の新宿駅シャッター閉鎖事件について少し話題になりました。その他でもJR社員とはこの話題をすることもありますが、まぁ、いろいろな意見がありました。「公共施設である以上、異常時は誠意をもって対応すべきだった」という意見から「現場の人が大変だろうから、締切るのはいいんじゃない?」という意見まで。具体的にどんな意見があったかというと

【(1) 顧客利益重視の意見】

  • 公共施設なわけだし、異常時は誠意をもって対応するべきだ。
  • 新宿駅といっても、京王や小田急は普通に開けていたし、無料で電車を動かしている路線もあった。それに比べると意識が低すぎる。
  • ホームに降りたら困るという理由をいっている社員もいたみたいだけど、そんなことを言ったら、振替乗車などで駅内混雑時だって同じことが言える。ホームに降りないように防護線を張りながらも駅の施設で休んでもらうのは当然のことだ。

【(2) 現場利益重視の意見】

  • 新宿駅に限らず、閉めた駅の中では、開けたいと思った人は多かったと思う。ただ、開けたことで罰を受けるくらいなら、原則に従って閉めるという判断をしたほうが身に火の粉が降りかからない。
  • 社員も帰るに帰れなくなるだろうし、電車が動かないことに対して、質問攻めにあったり暴力事件が起きたりする可能性もある。そういう意味では、閉めてよかったのではないか?

【(3) 完全に保身な意見】

  • 何やったってなんか言われるんだから、自分たちの身を守るべきだ。

このようにいろいろと意見が出たわけですが、(1)の意見はすべて現場勤務の人間があげたものです。(2)の意見は、本社や関係機関勤務の人間。(3)は。。。まぁ、伏せておきましょう。

 私もいろいろな層と話していて思いましたが、意欲のある現場の人間は、間接部門の人間が考えているほど、自分らに気を遣ってほしいとは思っていません。一方、意欲の低い現場の人間は、間接部門に対して、自分たちに気を遣うように圧力をかけてきます。

現場のどういう層の社員に照準を合わせて現場マネジメントをしていくか?

これすなわち、身内を守るか、顧客視点に立つかの岐路になるものだと思っています。できるだけ問題を起こしたくないと考えると、現場の底辺に照準を合わせてマネジメントをしがちです。一方、顧客視点でより会社を活性化させようというのであれば、現場の上澄みに照準を合わせてマネジメントをしていきます。結果的には、後者のほうが問題も起こりにくく社員も自律的に成長し育つのですが、近視眼的な経営をしていると、前者になりがちです。

攻めこそが最大の防御

 (1)のような意見が溢れていく会社になれば、真面目にお客さんのことを考える社員ほど、自然と働きがいを感じる会社になっていくのではないかと、今回の例を精査していて改めて感じたところです。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • 顧客と現場、意見が対立しやすいですね。

    でも、おっしゃるように、現場マネジメントが大切ですね

    ありがとうございます

    • M&Aさま

      お読みくださり、ありがとうございます

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