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新卒で入社した会社は、JR東日本でした。私のいた研究室は、企業や人の意思決定について研究するところであったため、多くの卒業生は、コンサルティング会社や金融にいくケースが多かったです。そんな中、JR東日本という、いかにも、半官半民的な企業に就職するのは意外であったし、性格にも合わないのではと周囲には止められもしました。とはいえ、自分としては、こういう会社だからこそ、入ってみたいという思いは強かったですし、新卒でないと入りにくい会社を選びたいという思いが強かったです。ほかにもここでは書けない志望動機もありましたが、そういうことも率直に包み隠さず理由を話して、JR東日本は採用してくださったので、入社したというところです。
かなり現場経験を大切にする会社なので、現場にいる時間が長く正直、当時の自分は、「どうなんだろうか?」と思う部分もありましたが、今思えば非常によい経験だったと思います。結局、意外とみじかめで3年くらいしか現場にいませんでした。最初は電車のメンテナンスをする職場に1年、その後、車掌の職場に2年いました。そのあと、輸送を担う、とある間接部門に異動になりましたが、現場の経験は非常に貴重なものでした。
自分で言うのもなんですが、どこに行っても必ず生意気といわれる質の人間ですから、最初の職場でもかなり好き勝手やって許されることもあれば叱られることもありました。ただ、本当に温かい人たちばかりで、今思えば赤面モノなこともありますが、非常によい勉強をさせていただきました。理屈では割り切れない、勘と心で仕事をする大切さは、今でも大事にしていることです。次の職場は車掌の職場で、一気に若手が増えました。最初の職場では同期もいなく平均年齢が高かったので、25歳でもほぼ最年少でしたが、車掌の職場は、駅員出身の2年目の社員がたくさんいます。彼らの中には高校卒業後に入社した方々もいますから、私より6歳下の社員がいるわけです。まぁ、会話が合わないこともあります(笑)こちらの職場は、ほとんどが外勤ですから、人付き合いの仕方もだいぶ異なりましたが、ある大きなJR特有の問題に気付いたこともあります。
現場業務を通じて感じた一番のことは、「安全」と「サービス」の両立というのは、状況によっては極めて矛盾するということです。自分もその狭間で仕事をしていたわけですが、これは真剣に考えるほど相当に難しい。ここの議論は極めてセンシティブなので、文章での議論は避けますが、ここで感じた組織風土という視点は、多くの企業が実は悩んでいるのではないか?と考えて転職を考えたのが、次の会社というわけです。JRに残るか否かをギリギリまで考えましたが、社内外の周囲とも相談して、出るほうを選択しました。
いずれにしても、JR東日本での現場経験は、今の仕事にも大変役に立っています。裏を返せば、この現場経験がなければと考えるとゾッとするものがあります。いつかは、どんな形・立場であってもJR東日本に貢献したいという気持ちは今でも変わりません。イヤでやめたわけではないですし、今でも個人的なお付き合いをさせていただいている方はたくさんいらっしゃいます。これは宝ですね。
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