ルールを社員に押しつけても守られない

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 業務を進めるに当たって、ルールというのは大切です。ですが、意味を理解していないルールを守ることほど苦痛なものはありません。ITコンサルティングの世界でもよくあることですが、「こういう情報システムを導入したので、こういうルールで仕事をしてください。」と社員に押しつけてしまうのです。確かに、そのほうが提供側は楽なのですが、ユーザの視点で考えると、意味もわからないものを押しつけられても、納得感がないだけでなく、重要度がわからないため、無意識のうちに、守る優先順位が下がってしまうのです。

 私がご支援するときには、ルールを以下の4つのパターンに分類して、4番目のルールの範囲を大きくして、当事者のみなさまに自分たちで作ってもらうというプロセスを大切にしています。

  1. 顧客のために必要なルール
  2. コンプライアンス(法令)を守るために必要なルール
  3. 経営にとって必要なルール
  4. 社員が自由に決めてよい範囲のルール

ですので、実際には同じシステムを使いながら、部門・地域毎に詳細のルールが違うことも起こりうるわけです。

 経験上、長く守られるルールは、意味の納得性が高い(1または2に該当するルール)か、自分たちで作ったもの(4に該当するルール)であるかというどちらかの要件を満たしているものだと思っています。1と2と3のルールは最低限必要な範囲で決めて、そのルールの意味をきちんと提供し、4のルールを自分たちで考えて決めてもらうようにすることで、システムが最大限の能力を発揮できるわけです。

 さらには、考える場が増えるため、人財育成にも繋がるという付加価値もあります。ぜひ、社員が自分たちでルールを決める場を増やしていただきたいと思います。

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