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 昨日、私の前職であるスコラ・コンサルト時代の同僚と飲みに行ってきました。そのときにフッと思い出したのですが、入社してしばらく、お客さんに問われて一言で答えられなかったのは「組織風土変革とはなにか?」という質問です。コミュニケーション活性化「だけ」と思っている人は非常に多いようですが、これは誤りです。活性化させるのは風土変革の一手段であって目的ではありません。もちろん、会社によっては、風土変革としてコミュニケーション活性化から始めることもありますが、あくまで手段です。今回は、組織風土改革とは何かについて筆を走らせてみたいと思います。

 そもそも、風土変革についてスコラ・コンサルトの創業者でもある柴田昌治氏は「事実に基づく経営がなされた状態をつくること(参考:柴田昌治ブログ)」と定義しています。

事実に基づく経営ってなんだろう?

という風に昔は思っていました。誤解を恐れずにいえば、私の知っている製造業の社長に話しても「はぁ?会計帳簿を捏造しているとでも言うのか!」と叱られてしまうと思います(笑)極めてシンプルな言葉だけにその会社の置かれた状況によって、説明のしかたは変える必要があります。事実に基づく経営というのは、たとえば下記のようなものがあります。

  1. お客さまに会社の提供価値を一言でわかってもらえるように「コンセプト」を明確にすること
  2. 会社がお客さまに掲げているものとお客さまに対する行動に矛盾がないように、社員にビジョンやコンセプトを深く理解してもらうこと
  3. お客さまのちょっとした声(お褒めもお叱りも)がきちんと社内で伝わる環境をつくること
  4. 大きな問題に繋がるような社員が感じている違和感が、少なくとも然るべき人には伝わるしくみをつくること
  5. 会社のコンセプト・考えに共感できる社員こそが、働きがいをもっとも感じる状況をつくること
  6. 社員が「考える」ことが楽しい・価値があると感じられる環境を作ること
  7. 事業が拡大して情報流通や意思決定に遅延がみられるようになったと思うのであれば、対面の欠点を補うIT活用を検討すること

よく風土改革で勘違いされがちなのは、「全員のコミュニケーションが良くなる」という魔法のツールのような解釈です。なんの目的も軸もない状況でコミュニケーションを活性化させたところで、「仲良しクラブ」がたくさんできるだけで、業務外では仲が良いけど、業務中は殺伐としたままということが起こり得るわけです(もちろん、これによってメンタルヘルスが減る可能性は十分に考えられます)。

 風土改革とは、会社にとって心から必要な社員(直接的であれ、間接的であれ顧客に価値を出せる社員)ほど働きがいを感じられる状態をつくることこそ「風土改革の本質」すなわち「事実に基づく経営の本質」だと考えています。この過程で、会社はコンセプトを明確にして浸透させる必要があり、イキイキした社員がお客さまの満足度をあげて業績に繋がるというわけです。

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