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従業員満足度調査は、比較的関心の高い分野のようなので、2・3回に分けて設計のポイントを書いていきたいと思います。今回は、調査を実施する環境についてです。従業員満足度調査と一口にいっても色々な種類のものがあります。たとえば、下記のようなものです。
- 社員のモチベーション(仕事への意欲の高さ)を調査するもの
- 社員が会社にやってほしいことを調査するもの
- 社員がメンタルヘルスになりやすい状況に陥っていないか調査するもの
- パワハラ・セクハラの実態調査をするもの
- 人事制度の改革に必要な材料を集めるために調査するもの
- 労働組合が会社に対して提案するための材料集めとして調査するもの
- 会社の示している方向性に対して、社員ができること・会社ができることを調査するもの
他にも色々ありますが、代表的なものは上記の7つではないでしょうか?一言に「満足」といっても、これだけの種類があります。私自身がいままで主に関わった従業員満足度調査は、1と7でもっとも得意とするのは7ですが、これらの調査を活かすにあたっては以下の条件を満たす必要があることはどのタイプの満足度調査でも一緒です。
- 回答者が、本音で回答できる環境づくりをすること【正確性】
- 事前に調査の目的・利用方法をきちんと説明する
- 調査の特性にもよるが、できれば匿名調査にする
- 調査質問数を適量にする(多くても80問。理想は50問前後です。少なすぎては分析しにくく、多すぎては回答者が負担。このあたりのバランスを設計チームが社員特性に合わせて検討する必要があります)
- 回答者が、フィードバックを受けること【透明性】
- 調査結果を必ず現場社員までフィードバックし、回答した意義と透明性を感じてもらう
- 調査結果を事実は事実として伝え、悪い部分だけを隠すということをしない
- フィードバックの際に、分析結果をもとに、議論すると、より実態が見えてくる
- 回答者が、調査結果が何かに活きたという実感をもてること【実効性】
- 調査結果をもとに打ち手を考え、実行する
- 調査しただけで終わりというのは、回答者側は非常に無意味さを感じてしまうことを念頭に置いておく
- 現場や部署単位でも結果を元に打ち手を考えやすい分析をおこなう
社会統計的な背景を意識しながら質問設計ならびに分析をおこなうことはもちろん重要です。ですが、どんなに質の高い質問や分析力があっても、データの信頼性が低くければ、土台から崩れてしまうのです。あつまったデータの信頼性が高い場合には、一般論として、下記のような特徴があります。
- とくに督促せずとも回答率が高い(質の高いデータが集まる調査は回答率が80%を超えるのがほとんどです)
- 分析チームのメンバーが日常感じていることと分析結果の間で総論として大きなズレがない(ズレがあると、「新しい気づきだ!」と感動する人もいるのですが、だいたいそういうときは、分析のしかたが間違っていたり、データの信頼性が低い場合が多くを占めます。分析のしかたもあっていて、データの信頼性も高く、ズレている場合は、よほど現場が見えていないという証拠にもなります)。
次回は、調査項目の設計方法について書きたいと思います。
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