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SaaS(サース)やASP(エーエスピー)という言葉はご存知でしょうか?細かくいうと、この2つの言葉は厳密には異なるのですが、ほぼ同様と考えて良いと思います。何らかのコンピュータシステムをインターネット上を介して使用するサービスのことを示します。クラウドのこと?と感じる方もいらっしゃると思いますが、クラウドコンピューティングの一部がSaaSというふうに考えてください。細かくは別の機会に書きたいと思います。
今回は、数多(あまた)にあるSaaSサービスを活用するメリットとデメリットについて説明したいと思います。まずは、少し身近な話に置き換えたいと思います。あなたが住処を探すとき、一戸建て・賃貸マンション・分譲マンション・アパートなど色々検討することと思います。この関係をSaaSとほかのサービスに当てはめてみるとわかりやすいと思います。
- 一戸建てに住む ⇒ 初期費用が高い・メンテナンスはすべて自分の責任・馴染みの工務店やメンテナンス会社を知っていると対応が楽・自分の自由にできる ⇒ 自社でサーバを購入しそこにアプリケーションを入れて活用することに等しい
- 賃貸マンション ⇒ 初期費用が低い・月額一定額(賃貸料と管理費)を支払うことでメンテナンスはおまかせ・ほとんどが自由にならない ⇒ SaaSサービスを活用することに等しい
- 分譲マンション(ローン購入) ⇒ 初期費用が低い・月額一定額(ローン返済と管理費)を支払うことでメンテナンスはおまかせ・自由に変更できる ⇒ 専用サーバをレンタル(ハードの管理は任せる)して、ソフトなどは自由にインストールして使う
つまり、あなたが賃貸マンションでいいと思うのであれば、SaaSサービスを使えばよいということになります。賃貸マンションのメリット・デメリットにほぼ一致してきます。では、実際に私がお客さまにSaaSをオススメするかというと、まだまだオススメしにくいのが現状です。たしかにITがあまり導入されていない企業であれば、一気にコストをかけるのはリスクですから、SaaSを活用しながら、すこしずつ業務を変えていくことは非常に有効です。ただ、それなりにITが導入されていたり、複数のシステム間のデータ連携を検討されているようであれば、SaaSは導入しにくいのが現状です。最近は、データ連携がしやすいSaaSも登場しており、すこしずつ導入しやすくなっていますが、導入しやすいものの大半は、高級賃貸マンションといったくらいの感覚のコストが掛かります。下手な高級賃貸マンションを借りるくらいなら、分譲マンションを買ってしまってもコストが変わらず、さらには自由に設計することができるのです。
ただこの選択は、受け皿をどれにするかという話なので、好きなものを選べば良いというのが私の基本的な考え方です。申し上げたいのは、決してブームや言葉に乗ってSaaSを選ぶのではなく、本質的に御社のコスト感・状況にあった形でシステムを導入することが大切だということです。なんでもかんでもSaaSという考え方はやめるべきと考えています。
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