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13年も様々な会社で従業員意識調査をやっていると、不思議なものでどの会社で実施しても、似たような傾向が出る項目があることに気づきます。その中でも、案外面白いと思っているのは「上司」に対する項目です。
当社では、質問項目ごとの得点が高い・低い、去年からどう変化したというのも大切にしていますが、報告書にそれだけを書いても深い部分での実態はわかりませんから、質問項目間や過去データとの比較・相関関係・因果関係をきちんと分析して、コメントをつけています。
上司に関する項目の中でも、「あなたの上司は変わろうとしているか?」という質問が改善すると、部下の意識の変化、その部署・グループの総合的な意識変化に影響を与えるという結果が、どの会社・どの部署・どの工場でも出現することが多いです。
ある会社では、「あなたの上司はこの1年でよい方向に変わったと思うか?」という類いの質問を入れましたが、あまりこの質問は他の質問と関係性が深くありませんでした。
部下にとっては、「上司が変わろうと努力している姿、自分を変えようとしている姿」、つまり努力している過程が見えることが実に大切なことがわかります。実際、この質問項目の得点が高い職場では、自由記述に上司に関する感謝のコメントやねぎらうコメントが寄せられることもあります。
実際、この「変わろうとしている」の質問が影響を与える質問項目として「あなたは、当社の従業員として将来の自分の姿を描けている。」「あなたは、職場にロールモデルとなる社員がいる。」が挙げられます。
部下から上司というのは、本当によく見えるものです。リモートの時代で物理的には見えにくくなっていますが、そんな中でも、対応の質や普段の仕事の質というのは見えるものです。部下に努力しろといいながら、自分は努力しない上司というのは部下から見てアッサリわかるものです。また、同じ努力であっても、もがきながら頭で考えて変わっている人と、研修にいって手軽にテクニックだけ覚えて帰ってる人では、部下からの見え方がまったく異なります。
管理職の皆さんが、部下からの見え方を意識して仕事をする必要はありませんが、自分たちの汗をかいている努力、昔風にいうと「背中で語る」ということは、立派な部下育成・部下指導になっていて、今でも十分に機能しているということを意識していただけるとよいかと思います。
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